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「無外流を歩く」の第1回は、流祖「辻月丹」が江戸に道場を開いた「麹町九丁目」を取り上げました。 | |
流祖・辻月丹(幼名:兵内)は、慶安元年(1648年 徳川家光の世)近江の国甲賀郡 宮村字馬杉生れ、十三才の時京都で山口流の山口卜真斎について山口流剣術を学びました。そして、二十六才の時兵内は師匠より山口流の免許を認可、同時に江戸出府を許され、 麹町九丁目に道場を構え、山口流兵法の看板を掲げましたが、名も無い田舎兵法者として相手にされず、僅かばかりの弟子と稽古し、修行しました。 その道場はどこにあったのか?下左の地図は安政3年(1856)の麹町です。グレーの部分が町家、ピンクが寺、白が武家屋敷ですから、道場を開くとすればグレーの部分と考えました。そして麹町九丁目ということになると、●のあたりに道場があったのではないでしょうか。 ということで、四谷・麹町へ行ってみよう・・・! (下の2枚の地図は、千代田区の案内板にあったものを写真に撮りました。) |
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地下鉄「四谷駅」で降りて外へ出ます。写真の左端に写っている丸い屋根がJR「四谷駅」。中央にある木立が四谷見附の跡です。写真右方向が半蔵門方面。左が新宿方面です。辻道場方向に行くには、これを右に向かいます。 | |||||
この写真の中央にあるのが現在の「仲良し公園」です。この両側が昔の麹町九丁目ですから、このあたりに辻道場があったというわけです。 | |||||
道路を渡って近付いてみましょう。 これが仲良し公園。辻道場はこの公園の左右、あるいはこの公園の上にあったのかもしれませんね。 |
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これは辻道場の裏手にあったと思われる「心法寺(しんぽうじ)」で、慶長2年(1597年)聖山上人の開山による浄土宗の古寺です。本尊の阿弥陀如来像は行基の作と伝えられています。千代田区内では唯一墓地のあるお寺として知られ、江戸幕府の遣米使節の副使を勤めた
村垣淡路守(むらがきあわじのかみ)の墓などがあります。 辻道場は、この心法寺の寺領を借りていたという話もあるようです。 心法寺付近を描いた江戸名所図絵が残っているのですが、[鬼平犯科帳 彩色 江戸名所図会]というサイトで紹介してくださっています。心法寺界隈はこちらにあります。 |
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心法寺の銅製梵鐘です。延宝四年(1676)に鋳造されたものと言いますから、当然流祖辻月丹は毎日この鐘の音を聞いていたということになるわけです。 | |||||
池波正太郎と無外流 | |||||
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この写真は、JR四谷駅の裏「新四谷見附橋」あたりから新宿方面を見たものです。剣客商売に登場する岡っ引き「四谷の弥七」の家はこの先にあったことになっています。 |